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呼吸がつらい!呼吸機能障害を持つ方の実際の症例(脊椎カリエス)。
強い肩こりや背中の倦怠感を訴える方に認められる猫背(円背)。
それらにより、呼吸のつらさを訴える症例は多くあります。
今回は脊椎(せきつい)カリエスによる呼吸機能障害、「すぐに息があがって苦しい」という実際の症例を紹介します。
※脊椎カリエス・・・結核菌が脊椎へ感染した病気です。なんらかの結核性の病気 (肺結核、腎結核など)にかかったあとに発病します。
【症例】
・70代女性
・幼少時に脊椎カリエスを発症
・脊椎カリエスにより胸椎が後弯し亀背(きはい)
・サチュレーション(酸素飽和度)~酸素を取り込む能力~
※正常値96~99
患者さんの測定値
悪いとき 約75~80
平常時 約80~85
酸素吸入時 約90~95
【症状】
息があがって苦しい。 背中が痛い、ダルい。
【治療】
背中を中心に腰から首までを徒手治療。
鍼治療は患部のみを施術。
治療対象筋:
大菱形筋(だいりょうけいきん)
小菱形筋(しょうりょうけいきん)
最長筋(さいちょうきん)
腸肋筋(ちょうろくきん)
参考図)プロメテウス解剖学アトラス第2版
大菱形筋 小菱形筋
参考図)プロメテウス解剖学アトラス第2版
最長筋 腸肋筋
参考図)筋性疼痛症候の臨床観察(上巻) 小林紘二
【考察】
普段から脊椎カリエスからの亀背により背中の筋肉が硬化し、背中の痛みとダルさ、倦怠感を自覚。
症状を訴えてる部位は右の背中。
呼吸をする際には脊柱を伸展、つまり背すじを伸ばす動作が必要になります。その時に働く重要な筋肉が最長筋と腸肋筋。
深く呼吸をする際には、肩甲骨を内転(肩甲骨を背骨側に引く動作)する大・小菱形筋が働きます。
よって、これらの筋肉をしっかり治療し緩めることで呼吸時に作用する、背すじを伸ばす動作(脊柱の伸展)と肩甲骨を背骨側に引く動作(肩甲骨の内転)がしやすくなります。
【結果】
治療後、本人の「息があがって苦しい」という自覚症状は大幅に良くなりました。
ただし、背中の症状が出てくるとまた同様の症状が出てくる可能性があるため治療は継続中です。
【まとめ】
脊椎カリエスそのものは治療することはできませんが、呼吸に関する筋肉を治療することで呼吸をしやすい身体の状態にもっていくことは可能です。
それにより少しでも日常生活を楽に過ごせるようにもっていくことが、治療の目標と考えています。
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