顎関節症(がくかんせつしょう)
- 口が開かない、開きにくい
- 咀嚼(そしゃく)、食事をすると顎(あご)が痛い
- 口の開閉時に音がする
- 食事や会話で顎(あご)が疲れる
- 顎(あご)がだるくなる
なぜ顎関節痛症になるの?顎関節症の原因は?|堺市北区 くらまえ鍼灸整骨院
・顎関節の構成
顎関節は側頭骨(そくとうこつ)の下顎窩(かがくか)と下顎骨(かがくこつ)の下顎頭(かがくとう)、その前にある関節結節で構成されます。
その間にはクッションの働きをする関節円板と滑液(かつえき)で満たされた関節腔があり、顎関節をスムーズにする役割があります。
・顎関節の筋肉の働き
~直接的に顎関節運動に関与する筋~
・咬筋(こうきん)
歯を噛みしめたときに顎の横側(ほっぺたの後ろ辺り)で硬くなる筋肉です。
歯を強く噛みしめるときに作用し、あごの痛みや口を開くときの制限(開口制限)に大きく関わってきます。
咬筋は食事のときの顎関節の弾発現象(引っかかる現象)やあごのだるみを引き起こします。
・側頭筋(そくとうきん)
目のすぐ後ろのこめかみから側頭部全体に広く付着している筋肉です。
こめかみを押さえながら強く噛みしめると、筋肉が動くのが分かるかと思います。
歯をかみしめるとき、後ろの線維は下顎を後方に引くときに作用します。
顎関節の症状としては、食事のときの痛みや、口の開きにくさ、顎関節の前の方の痛みに大きく関与します。
・外側翼突筋(がいそくよくとつきん)
顎関節の骨の裏側にあるため、触るためには熟練の技術が必要です。
左右両方同時に収縮するときは、下顎頭を前方に引き口を開かせる働きがあり、片方だけの収縮時は下顎を反対方向に動かします。
このことから顎関節痛、開口制限に大きく関与し、食事のときの弾発現象(引っかかり)にも関連します。
・内側翼突筋(ないそくよくとつきん)
あごの骨の裏側にあるため触ることは困難です。そのため、この筋肉を治療するときには顎にストレッチをすることで治療していきます。
この筋肉の作用は下顎を反対に動かし、顎関節痛、開口制限、顎関節の弾発現象(引っかかり)に大きく関与してきます。
~顎関節の動きに関与する筋~
・開口(口を開ける)動作に関わる筋肉
舌骨上筋:顎二腹筋 顎舌骨筋
舌骨下筋:胸舌骨筋 肩甲舌骨筋
・頭部の固定に作用する筋肉
頭半棘筋 頚半棘筋 後頭下筋群
頭最長筋
・顎関節症の原因は?
①顎関節の問題
歯並びが悪いことによる噛み合わせの問題や、加齢により関節円板が前にずれてしまうことで関節に負荷がかかり顎関節症を引き起こす要因になります。
②肩こり
肩こりは顎関節症と密接に関与していると考えられます。
食べ物を噛む顎関節運動には、前述した咬筋、側頭筋、外側翼突筋、内側翼突筋だけではなく頭の固定をする筋肉が不可欠です。
頭の安定固定には、頭半棘筋や頚背部(首から背中)の脊柱筋(背骨を支える筋肉)の働きが必要です。
顎の開口運動や咀嚼運動(食事)は、喉仏(のどぼとけ)の上の舌骨を引き下げるため、その動きが頭を前屈させる力にもなります。
それに抵抗する筋肉として頭半棘筋や頚背部(首から背中)の脊柱筋(背骨を支える筋肉)が働くことで頭部をしっかりと固定し安定した顎関節の運動が可能になります。
そのため、肩こりや首のこりがあると、しっかりと頭部が固定されずに顎関節のスムーズな動きを妨げます。
実際に顎関節症の患者さんを診ると、強い肩こりや首こりがある方が多いように見受けられます。
③姿勢の悪さ
前屈み姿勢になってしまうと、スムーズな顎関節運動が難しくなります。
その姿勢のアンバランスから噛み合わせが悪くなることもあり、姿勢と顎関節は密接に関係してきます。
④ストレス
ストレスが溜まると交感神経が優位に働き筋肉が緊張し、血行も悪くなります。
そうなると顎関節や肩、首はストレスの影響を受け顎関節症や肩こりとして症状が出やすくなります。
このようにストレスは顎関節症や肩こりとも密接に関係してきます。
⑤顎関節に関係する筋肉の問題
顎関節症は筋肉が緊張し血行が悪くなることでも症状が出現します。
前述した通り②~④の問題は顎関節を構成、および、関与している筋肉を緊張させます。
①の顎関節に問題があったとしても、関節のアンバランスや負担から顎関節の筋肉を緊張させるため、筋肉が大きく関わってきます。
そう考えると顎関節症は筋肉を治療することが大切になってきます。
顎関節症はどこに行ったらいい?鍼灸院・整骨院でも治療できるの?|堺市北区 くらまえ鍼灸整骨院
①歯科、口腔外科
歯科、口腔外科での顎関節症の治療は、レントゲン検査とマウスピースが基本になります。
②整骨院・鍼灸院
整骨院や鍼灸院でも治療できるところがあります。
顎関節の体表解剖に精通した整骨院・鍼灸院を探すようにしてください。
顎関節症を放置するとどうなるの?|堺市北区 くらまえ鍼灸整骨院
顎関節症を発症した場合、2.3日~1週間で自然と症状が回復してくることがあります。
その後、何度か症状を繰り返すようであれば、今後悪化する可能性があり治療期間が長期化することにもつながります。
繰り返す顎の痛みやだるさ、口が開きにくいなどの症状があれば、放置せずに早めに治療するようにしてください。
顎関節だけではなく、肩こりや姿勢の悪さなど対処すべき問題が出てくる可能性があります。
堺市北区くらまえ鍼灸整骨院の顎関節症に対する治療法は?
堺市北区くらまえ鍼灸整骨院では、前述した筋肉を中心に治療していきます。
①徒手療法(MT-MPS)
顎関節の運動には、‘’筋相互間のリズミカルな協調運動‘’が大切です。
臨床的には、咬筋、側頭筋、外側翼突筋、頭半棘筋が特に強い関わりがあるため、それらの筋肉を中心にしっかりと治療していきます。
その他にも、顎関節症の症状を訴える方は肩こりがある方も多いため、そちらも並行して治療することでより良い効果が得れるようにしていきます。
②鍼療法(AT-MPS、トリガーポイント鍼療法)
徒手療法と鍼療法を組み合わせての治療も効果的です。
特に外側翼突筋は体表から触診することが難しいですが、口を軽く開けた状態で顎関節の少し前方、頬骨弓(頬骨)のすぐ下で咬筋を介して鍼治療をすることが可能です。
※鍼治療は症状やその患者さんに応じて施術するため、すべての患者さんにするわけではありません。
③関節モビライゼーション
顎関節の関節モビライゼーションは、頭部を固定した上で下顎骨を動かし、外側翼突筋や内側翼突筋にストレッチをかけながら小刻みに丁寧に動かす手技になります。
堺市北区くらまえ鍼灸整骨院では、この顎関節のモビライゼーションを誰でもリラックスして受けれるよう研鑽を積んでいますので、安心して治療を受けてください。
④姿勢矯正
姿勢の悪さ、特にうつむき加減の前屈み姿勢は顎関節に密接に関係してきます。
その姿勢の悪さを改善することも顎関節症の治療をする上で大切になります。
⑤ストレッチ、日常生活の指導
堺市北区くらまえ鍼灸整骨院では、顎関節症に対して効果的なストレッチの指導を行い、日常生活を過ごす上での悪影響を及ぶ因子があれば、そこを改めるようお伝えしていきます。
顎関節症でお悩みの方は、顎関節の体表解剖に精通した堺市北区くらまえ鍼灸整骨院にご相談ください。