ジャンパー膝 別名:膝蓋靭帯炎(膝蓋腱炎)
- 膝のお皿のすぐ下が痛い
- バレーボールやバスケットボールで膝が痛くなった
- サッカーで膝が痛くなった
- 陸上で膝が痛くなった
- ジャンプや着地をすると膝が痛い
- 思いっきりジャンプできない
- しゃがめない
- 全力で走れない
ジャンパー膝とは?原因は?|堺市北区 くらまえ鍼灸整骨院
ジャンパー膝は膝蓋腱炎(しつがいけんえん:膝蓋靭帯炎)とも呼ばれ、主にスポーツでジャンプや着地、ダッシュやストップなどの急激な動作を繰り返すオーバーユース(使いすぎ)に起因するスポーツ障害の1つです。
この膝蓋腱(しつがいけん)はお皿のすぐ下、脛骨粗面(けいこつそめん)のすぐ上にある組織です。
▪️ジャンパー膝を多く発症するスポーツは?
-
バレーボール
-
バスケットボール
-
陸上
-
サッカー
-
体操
このようにジャンプや着地、ダッシュやストップなどをするスポーツで多くみられます。
バレーボールではこのようなデータもあります。
全国中学校バレーボール選手権大会に出場し強化指定選手に選抜された男子201人、女子187人合計388人に対しメディカルチェックを行った結果、膝関節前面に圧痛が認められた競技者は84人(107膝)で21.6%にのぼり、5人に1人が異常を訴えていました。
(引用:「バレーボールにおけるジャンパー膝.臨スポーツ医29:林光俊ほか」(臨時増刊号88-92,2012)
バレーボールのナショナルチームでは、108名中35名が痛みを訴え、32.4%もの選手が罹患していました。
▪️ジャンパー膝の原因は?好発年齢は?
ジャンパー膝は太もも前の大腿四頭筋が硬くなることで発症しやすくなります。
好発年齢は成長期の10代の男の子です。
成長期は急激に身長が伸び「骨」も急成長しますが、「筋肉や腱」などの組織は同じように成長しません。
そのため、筋肉が硬くなってしまう時期でもあります。
太もも前の大腿四頭筋が硬くなってしまうと、その柔軟性が低下し、膝蓋骨(しつがいこつ:お皿)、膝蓋腱(しつがいけん)にかかる引っ張られる力が強くなります。
このような成長期特有の要因とジャンプやダッシュなどによる膝関節の屈伸動作を頻繁に、かつ長時間にわたって行うと、膝の屈伸動作に必要な大腿四頭筋とそこからつながる膝蓋腱(膝蓋靭帯)に過度な牽引力が繰り返し加わることになります。
そうなると、膝蓋骨周辺や膝蓋腱に微細損傷を引き起こし、ジャンパー膝の原因になってしまいます。
ジャンパー膝を放置してもいい?|堺市北区 くらまえ鍼灸整骨院
ジャンパー膝は放置すると悪化したり、膝蓋腱を断裂してしまうため放置しないようにしてください。
上述したように、バレーボールなどのスポーツにおいて高確率で発症していることを考えると、それだけ膝に負担がかかっている証拠でもあります。
ジャンパー膝を放置すると、痛めている所にさらに負荷をかけることになり、最悪、難治性膝蓋腱炎や膝蓋腱(靭帯)の断裂につながってしまいます。
難治性膝蓋腱炎になってしまうと、一般的な治療法では症状が治まらなくなります。
膝蓋腱の断裂では、腱(靭帯)は残念ながら再生することはないため、手術が必要となり復帰まで半年以上かかります。
このようにジャンパー膝を放置してしまうと、症状の改善までに余計な期間を要してしまいます。
ジャンパー膝は放置しないようにしましょう。
ジャンパー膝でもスポーツはできる?|堺市北区 くらまえ鍼灸整骨院
捻挫や肉離れなどの突発的なケガとは違い、痛み始めは問題なくスポーツができることがあり休止のタイミングが難しくなります。
実際の現場では、痛みを抱えながらもスポーツをしている子供たちがしばしば見られます。
堺市北区くらまえ鍼灸整骨院では、ジャンパー膝(膝蓋腱炎)を以下の4段階で病状を分類しスポーツができるかどうかを判断していきます。
【ステージ1】軽症
スポーツ活動中に痛みを感じますが、活動後は痛みがなく運動に支障はありません。
帰宅後は入浴をして血行を良くするようにし、入浴後は大腿四頭筋のストレッチをして柔軟性を高めるようにしましょう。
この段階では問題なくスポーツはできますが、膝蓋腱(靭帯)に負担がかからないようジャンプ、ストップなどの急激な動作は避け、練習を休めるときはできるかぎり休むことを提案しています。
股関節の柔軟性を高めることも、膝への負担を減らすことにつながるため、股関節の治療とストレッチでこれ以上、悪化しないようにしていきます。
【ステージ2】中等症
スポーツ活動中や活動後も痛みがありますが、運動は支障なく行えます。
当院では運動後に痛みがある場合は炎症が起きているためアイシングをするよう指導しています。
また、運動は試合など急を要していないときはできるかぎり休むよう指導しています。
レギュラー争いなど、どうしても練習に参加しなければいけないときは、ジャンプやストップなどの急激な動作は避けてください。
【ステージ3】重症
常に痛みがあり、スポーツ時にはさらに痛みが増すため運動に支障が生じます。
ここまで痛みが強くなると、スポーツなどの運動は速やかに中止するようにしましょう。
月単位での運動休止が必要になり、膝だけでなく身体全体に疲労がたまっていることが考えられます。
まずは十分に疲労をとり、それと同時に股関節・殿部を治療することで下半身全体の血行を改善していきます。
その後は下肢の筋肉のバランス改善を目的としたストレッチングを行い、痛みが消失してから徐々に運動を再開していきます。
【ステージ4】最重症
膝蓋腱(靭帯)の部分または完全断裂を生じ、日常生活への支障をきたします。
この腱(靭帯)は再生することがないため手術が必要となります。
ジャンパー膝の予防法は?|堺市北区 くらまえ鍼灸整骨院
成長期は「骨」の成長に「筋肉・腱」が追いついかないため「筋肉」が硬くなってしまいます。
筋肉が硬くなり柔軟性が低下するとジャンパー膝を発症しやすくなります。
以下のことに注意して予防するようにしてください。
①定期的なケア
整骨院を利用するなどして、定期的なリカバリー(回復)をするようにしましょう。
堺市北区くらまえ鍼灸整骨院では疲労をとる治療はもちろんのこと、さまざまなスポーツ障害の予防につながる治療を行っています。
また膝の疾患は股関節の柔軟性を高めることが大切になってくるため、その部位に対する治療とストレッチを施行して予防に努めています。
②練習量の調整
ジャンパー膝は使いすぎ(オーバーユース)により、発症します。
特にジャンプや着地、ダッシュやストップなどの動作が要因になりやすいため、練習メニューや練習量を調整することで予防することができます。
ジャンパー膝は10代の成長期のケガです。
その子供たちにとって、数週間から数ヶ月の離脱は途方もなく長く感じます。
指導者やご両親が子供たちの身体のことを理解することでジャンパー膝の予防につながります。
③入浴
入浴で温めると血行が良くなり疲労物質が代謝されやすくなります。
練習や試合があった日は入浴するようにして、1日の疲れをとるようにしましょう。
④ストレッチ
太もも前の大腿四頭筋という筋肉のストレッチを行いましょう。
痛いと感じない程度にゆっくりと伸ばし、反動をつけずにじっくりと気持ちよい状態を20秒〜30秒キープしてください。
入浴後のストレッチがおすすめです。
▪️大腿四頭筋のストレッチ
右手で右足を持ち、ゆっくりと後ろに引きます。
太ももの前が伸びているのを意識し、20秒〜30秒程度伸ばしてください。
反対側も同様に行います。
⑤栄養
成長期は急激に身体が大きくなります。
成長する骨や筋肉に必要な栄養を届けるためには、好き嫌いをしないでまんべんなく栄養を摂ることが大切です。
たんぱく質や鉄分もしっかり摂りましょう。
⑥睡眠
睡眠をしっかりとることはケガの予防になります。
育成年代では睡眠が平均8時間以下の選手は8時間以上を確保している選手と比べて「ケガのリスクが1.7倍になる」という研究があります。
特に、6時間以下の睡眠では「疲労を原因とした負傷」が高まることが指摘されており、さまざまなスポーツでこのような傾向がみられることが分かっています。
また、選手が環境に適応していない状態で、「リフレッシュしたと感じられない睡眠」も、睡眠時間の不足と同様にケガのリスクを高めてしまいます。
このようなことから、睡眠は時間を確保することと、リフレッシュできるように眠ることが大切です。
ジャンパー膝の治療法/堺市北区くらまえ鍼灸整骨院
堺市北区くらまえ鍼灸整骨院ではジャンパー膝に対して、その人の状態に応じてさまざまな方法で治療していきます。
痛みを鎮めるためのハイボルテージや超音波などの物理療法。
徒手療法やストレッチでは硬くなった筋肉をやわらかくし、血液循環を改善するようにもっていきます。
またジャンパー膝のような膝疾患に対しては股関節の柔軟性の向上が大切になってくるため、そこも同時に治療するようにしています。
その他にも日常生活やストレッチの指導、スポーツ休止や復帰のタイミングを見極めることも重要です。
ジャンパー膝ならスポーツ障害に対しての豊富な臨床経験がある堺市北区くらまえ鍼灸整骨院にお気軽にご相談ください。