野球肘
- 野球をしていて肘の内側が痛くなった
- ピッチャーをしていて投げた瞬間に肘を痛めた
- ゴルフで肘の内側が痛くなった
- 肘の曲げ伸ばしがしにくくなった
- ボールを投げるときに肘の内側が痛い
- 肘の内側を押さえると痛い
- 小指側がしびれる
野球肘ってなに?原因は?|堺市北区 くらまえ鍼灸整骨院
野球やゴルフをしていると肘の内側を痛めることが多く、一般的な呼び名として‘’野球肘‘’・‘’ゴルフ肘‘’と呼ばれています。
正式名称は‘’上腕骨内側上顆炎(じょうわんこつないそくじょうかえん)‘’・‘’上腕骨内側上顆障害‘’(リトルリーグ肘)といいます。
この記事では、野球肘に関して少し掘り下げていきます。
野球肘には痛める場所により内側型・外側型・後側型の3つに分けることができます。
①内側型の野球肘
・上腕骨内側上顆炎・上腕骨内側顆障害(リトルリーグ肘)
これは野球肘の大半を占め、肘の内側の出っ張り部分が痛くなります。
軽症の場合は、筋肉などの軟部組織の疲労程度でおさまることもあります。
進行すると子供では筋肉や靭帯よりも骨を痛めやすく、大人では骨よりも筋肉や靭帯を痛めやすくなります。
少年野球選手の20%以上にみられたという報告もあり、非常に多い疾患です。
よくみられるパターンとして最初の内は、少しずつ肘に痛みが出てきて、投球後しばらくすると痛みがおさまってくるが、それを放置して続けていくと痛みがおさまらなくなってくるというパターンです。
ときに、ボールを投げた瞬間に強い痛みが走り負傷する‘’裂離(れつり)骨折‘’がおこることもあるため、リトルリーグ肘との鑑別が重要になります。
②外側型の野球肘
・上腕骨小頭離断性骨軟骨炎(じょうわんこつしょうとうりだんせいこつなんこつえん=OCD)
これは無症状で進行することもあるため、堺市北区くらまえ鍼灸整骨院ではエコー観察装置を用いて初期に発見できるよう努めています。
初期に発見できれば保存療法(手術なし)で治癒することもありますが、肘が曲がりにくくなって受診したときには進行していることもあり手術が必要になることもあります。
軟骨がはがれ関節内遊離体(関節ねずみ)が関節にはさまると激痛を起こすこともあります。
この上腕骨小頭離断性骨軟骨炎(OCD)は重篤になることもあるため早期発見が重要です。
③後方型の野球肘
・骨端線障害
骨が成長する部分のことを骨端線と呼びます。ボールを投げるときに、この部分に負荷がかかり骨端線に開くような力がかかることで、骨折のようになることがあります。
・後方インピンジメント
投球時のフォロースルーで肘が伸びたときに骨と骨の間に筋肉などの軟部組織がはさまって痛みを出します。
・肘頭疲労骨折
ボールを投げて肘が伸びる動作が繰り返されることで、骨と骨の衝突が起こり疲労骨折を生じることがあります。
野球肘は我慢して投げていいの?放置してもいいの?|堺市北区 くらまえ鍼灸整骨院
野球肘は少しの痛みだからといって放置してしまうと、重篤な疾患に進行することがあります。
痛み始めは投げれることも多いため受診が遅れることもありますが、できるだけ早めに治療するようにして、放置しないようにしましょう。
また、投げれるほどの痛みだからといって我慢して投げないようにして、安静、治療を優先するようにしてください。
堺市北区くらまえ鍼灸整骨院では、エコー観察装置で重篤な疾患を見逃さないように留意しています。
野球肘の予防法は?|堺市北区 くらまえ鍼灸整骨院
①ストレッチ 柔軟性の向上
・前屈の柔軟性
前屈動作(立った状態で手を床につく動作)で床に手がつかない程の硬さがあると、投球動作で下半身を使うことができず、俗にいう‘’手投げ‘’の状態になり肘に負担がかかります。
これは太もも裏のハムストリングスという筋肉が硬いことで、可動域が制限されます。
ハムストリングスの代表的なストレッチである‘’ジャックナイフストレッチ‘’をご紹介します。
《ジャックナイフストレッチ》
①肩幅に足を開いてしゃがみます。
②両手で両足首をしっかりと握ります。
③胸と太ももの前をくっつけます。
④胸と太ももが離れないように膝を徐々に伸ばしていきます。
⑤限界まで伸ばしたらそのポジションで10秒間キープする。
これを3セット行ってください。
このジャックナイフストレッチは、胸と太ももが離れないように膝を伸ばしていく(お尻を上げていく)ことがポイントになります。
・股関節の柔軟性
股関節が硬いとボールを投げるときの着地足に体重が乗らず、肘に負担がかかる投げ方になります。
股関節の柔軟性には中殿筋、大殿筋、大腿筋膜張筋のストレッチが大切です。
・肩関節の内旋制限
特にピッチャーによくみられるのは肩関節の内旋という動作の制限です。
棘下筋という筋肉が硬くなることが原因になりますので、そのストレッチを指導するようにします。
・前腕の疲労回復
前腕(肘から手首まで)の筋肉をストレッチすることで、肘の疲労回復につとめます。
②適度な休息
投げすぎは肘に負担がかかりケガの原因になります。
適度に休息をはさむようにしてください。
③温め
入浴などで温めることはリカバリー(回復)になります。
練習後、試合後は自宅で入浴するようにして疲労物質・痛み物質をとるようにしてください。
④成長に合わせた練習
練習やトレーニングは年齢で区別するよりも、その子の成長に合わせるように留意してください。
子供たちは「試合に出たい」「レギュラーになりたい」という気持ちが強いため、子供たちを守る指導者やご両親が、練習量や練習内容などをセーブさせるようにしてください。
子供たちの骨が成長するまでは過度の投球はやめるようにしてください。
⑤フォーム
フォームによっては肘に負担がかかります。
体が硬いことで手投げになってしまったり、フォームに悪いクセがついてることがあります。
適切な指導をうけるようにしましょう。
⑥エコーで肘を検査
堺市北区くらまえ鍼灸整骨院では、エコー観察装置で肘の検査を実施するようにしています。
堺市北区くらまえ鍼灸整骨院の野球肘(上腕骨内側上顆炎)の治療法
①ストレッチ
上述した予防法と同じように股関節、太もも裏、前腕(肘から手首)、肩関節(棘下筋)の筋肉を中心に、ストレッチしていきます。
野球肘は肘の筋肉を含め様々な部位が関係してくるため、その人に応じてどこの柔軟性が足りていないかを検査で確認しストレッチするようにします。
②エクササイズ
肩甲骨周囲の筋肉のエクササイズを目的として‘’肩甲骨はがし‘’という技術を用いて施術します。
肩甲骨をはがすように施術することで、肩甲骨が動かしやすくなり肩関節の可動域が良くなります。
③筋肉に対しての徒手療法・鍼療法
肘と直接的に関係している前腕の筋肉と、柔軟性が不足している部位を中心に治療していきます。
特に、尺側手根屈筋(しゃくそくしゅこんくっきん)という筋肉は肘内側の内側側副靭帯(ないそくそくふくじんたい)を覆っているため、この筋肉が使いすぎにより疲労がたまると十分に働かなくなり肘内側に負担がかかります。
そのため、この筋肉はしっかりと治療し疲労をとる必要があります。
④物理療法
深部まで温熱刺激を与えることができる超音波と高電圧刺激のハイボルテージで治療します。
温熱効果や鎮痛効果で治癒を促すようにします。
⑤姿勢矯正
野球などの投球動作をする際、猫背や前屈み姿勢は肘に負荷がかかるため、その姿勢不良を矯正することが肘の負荷を減らすことにつながります。
野球肘は野球をしている小学生、中学生で非常に多い疾患で、ゴルフなどの他のスポーツでも発症することがあります。
大人や親からするとこの程度の練習でケガをするの?と思われることがありますが、成長期の子供たちにとってのケガは満足にスポーツをすることができなくなり、成人してからの身体にダメージが残ることもあります。
周りの指導者や親たちは、子供たちの身体に対しての適切な理解が必要です。
当院ではこのような子供たちに対してエコー検査を行い、重篤な疾患を見逃さないようにし、早めの治療をオススメしています。
※骨折を疑うときは整形外科を紹介するようにしています。
野球肘のことなら豊富な治療経験がある堺市北区くらまえ鍼灸整骨院にご相談ください。