お悩み改善例
投球障害肩に対する徒手療法と鍼治療 ― 棘下筋アプローチの有効性― 部位:右肩関節前面~肩甲間部、特に棘下筋 年齢:20代 性別:男性 仕事内容・趣味:デスクワーク中心。趣味は野球(草野球チーム所属)
主症状
1年前から右肩前面に痛みを感じ、ボールを投げられなくなった。発症後、肩甲骨後面から肩甲間部にも痛みが広がり、全力投球が困難となった。
随伴症状
左右橈骨遠位端骨折の既往
左肩関節脱臼の既往
検査
右肩関節の内旋可動域制限が著明
セカンドポジション外旋にて疼痛と筋力低下を確認
棘下筋の圧痛および収縮不全を認める
治療
徒手療法(MT-MPS:肩甲骨・肩関節周囲の筋膜調整、特に棘下筋・肩甲下筋・後方関節包を重点的に)
第5回目に鍼治療を追加(棘下筋を中心に肩関節を構成する筋肉のトリガーポイント刺鍼)
〇治療頻度および治療期間
発症から1年後に来院
週2回のペースで施術
初診から4回目までは徒手療法中心
5回目に徒手療法+鍼治療を併用
経過および考察
4回目の受診時点で、サードからファーストへワンバウンドで投げられるまでに改善。5回目の鍼治療後には「社会人になってから一番肩が軽い、調子が良い。」との報告を得た。
〇考察
セカンドポジションでの疼痛・筋力低下は棘下筋の機能低下を示唆する。棘下筋は肩関節外旋を担う主動筋であり、投球動作のコッキング期に強く働く。過負荷や不良な肩甲骨運動により棘下筋が過緊張すると、内旋制限や肩前方部へのストレスが増大し、結果的に上腕二頭筋長頭腱や肩甲間部の代償負担を招く。
徒手療法による筋膜リリースと肩甲骨運動改善は、棘下筋の滑走性を回復させ、肩関節の外旋・内旋バランスを整えた。さらに鍼治療がポリモーダル受容器を刺激し、局所血流改善と筋緊張抑制をもたらすことで棘下筋の収縮効率が回復。これにより疼痛軽減と投球動作の再獲得につながったと考えられる。
【症状・部位の問診】
まとめ
投球障害肩において棘下筋の機能不全が中心的な要因となり、肩前方部痛や肩甲間部痛を引き起こしていた症例。徒手療法で基盤を整え、鍼治療を併用することにより短期間で投球動作が可能なレベルまで回復した。
「肩の痛み」「野球肩」「投球障害肩」で悩む患者に対し、棘下筋へのアプローチを含めた整骨院での治療は有効な選択肢となる。
施術内容および費用
施術内容:徒手療法(MT-MPS)・鍼治療(AT-MPS・トリガーポイント刺鍼)
費用:当院ホームページ料金表を参照
リスク
一時的に筋肉痛様の症状や倦怠感を伴う場合あり
鍼治療では軽度の出血・皮下出血の可能性あり
上記症状も時間の経過とともに自然と軽快する













