お悩み改善例
くしゃみにより発症した急性腰痛症に対する徒手療法および鍼治療の有効例 年齢:40代 性別:女性 仕事内容・趣味:デスクワーク中心の業務。長時間の座位姿勢が多い。
主症状
急性腰痛症(いわゆるぎっくり腰)。
くしゃみをきっかけに腰部に鋭い痛みを感じ発症。
随伴症状
年に数回、急性腰痛症を発症している。
慢性的な肩こり、頸部痛も訴えている。
検査
脊柱運動時痛および可動域制限を認める。
特に脊柱伸展動作にて著しい制限と痛みを確認。
治療
徒手療法(MT-MPS施術)と鍼治療(置鍼)を併用。
急性期のため側臥位を中心に体勢を工夫し、過剰な負担をかけずに施術を実施。
腰背部の過緊張筋(多裂筋、腰方形筋、脊柱起立筋群)に対してピンポイントでアプローチ。鍼治療では局所の筋緊張緩和と血流促進を狙った。
治療頻度および治療期間
12月16日:発症
12月19日:初診
12月21日:2回目治療
12月26日:3回目治療
12月30日にはペインスケール(VAS)=1まで軽減。
経過および考察
初診時(12月19日)は疼痛のため体動制限が著明であった。
側臥位にて、脊柱起立筋群や腰方形筋の過緊張を徒手療法で緩和し、同時に鍼治療で深部筋へのアプローチを実施。
2回目(12月21日)では座位や立位保持が容易になり、3回目(12月26日)では自発痛ほぼ消失。
その後、12月30日時点でNRS=1となり、日常生活動作に支障のないレベルまで回復。
急性腰痛症は一般的に、多裂筋や脊柱起立筋の部分的な過緊張・微小損傷が発症要因となる。
特にくしゃみ動作では、急激な腹圧上昇と同時に脊柱伸展筋群へ瞬間的な強い負荷がかかるため、筋線維損傷や椎間関節への機械的ストレスが生じやすい。
生理学的には、筋損傷後に局所の炎症反応が起こり、疼痛物質(ヒスタミン、ブラジキニン)放出により痛覚過敏が誘発される。
徒手療法により過緊張の緩和と血液循環の改善を図ったことで、炎症性物質の早期排出が促され、疼痛が速やかに改善したと考えられる。
また、鍼治療による局所血流増加・自律神経調整効果も相乗的に作用し、鎮痛効果が得られた。
運動学的観点では、長年のデスクワークによる骨盤後傾位・腰椎前弯減少が基盤にあり、急激な負荷への耐性が低下していた点も発症の背景と考えられる。
【12月19日(初診時)】

【12月19日(初診時)】

【12月26日(3回目治療後)】

【12月26日(3回目治療後)】

まとめ
本症例は、長時間座位に起因する慢性的な姿勢不良と筋緊張を背景に、腹圧上昇動作(くしゃみ)によって発症した急性腰痛症であった。
側臥位を用いて負荷を最小限に抑えつつ、徒手療法と鍼治療を組み合わせたことで、局所炎症の沈静化と筋緊張緩和が速やかに進行し、短期間での症状改善を得た。
急性腰痛症治療においては、組織損傷への適切な初期対応と、過緊張筋への精密なアプローチが重要であることを再確認させる症例となった。
施術内容および費用
- 施術スタッフ:徒手療法および鍼治療(置鍼)
- 費用:当ホームページ料金表参照
リスク
治療に伴う血流改善の過程で、一時的に筋肉痛様症状や倦怠感を感じることがある。
これらの反応は通常一過性であり、自然に消失する。