お悩み改善例
急性腰痛症(ぎっくり腰)に対する徒手療法の効果と考察 部位:腰部(腰背部・仙腸関節周囲を含む) 年齢:50代 性別:女性 仕事内容・趣味:職業:花屋(立位・前屈姿勢での作業が多い) 趣味:毎日2回の愛犬の散歩
主症状
急性腰痛症(いわゆる「ぎっくり腰」)
階段昇降時に腰部へ強い運動痛を訴える
随伴症状
・以前より冷え込みや気温差により腰痛が再発する傾向あり
・慢性的な筋緊張による可動域制限も自覚
検査
前屈:腰背部およびハムストリングスに過度な伸張感、腰椎の可動性が低下
後屈:骨盤の腸骨稜付着部に鋭い運動痛が生じ、後屈動作は困難
回旋:左回旋で強い制限、右腰背部に伸張感を認める
治療
初回は急性期で腹臥位が困難だったため、側臥位にて徒手療法を実施。以降は症状の軽減に伴い、腹臥位での施術を行った。
治療の主眼は以下の3点:
1. 大腿筋群・臀筋群の筋緊張緩和
2. 脊柱起立筋群~肩甲帯までの筋膜連鎖の調整
3. 骨盤帯の可動性改善による体幹機能の回復
特に大腿部後面(ハムストリングス)の過緊張が骨盤後傾を誘発し、仙腸関節への負荷増大が腰痛の一因と推測されるため、下肢から骨盤・体幹までの運動連鎖を重視した施術を実施。
治療頻度および治療期間
週1回の施術を5回実施
経過および考察
経過:
1回目の治療後より疼痛の強度が軽減し、2回目には階段昇降時の痛みが50%程度に改善。3回目以降は体幹回旋の可動域が広がり、5回目終了時点で日常生活における支障はほぼ消失した。
考察:
急性腰痛においては、筋膜・筋の緊張による神経受容器の過敏化(ポリモーダル受容器の興奮)が強い疼痛の主因となる。とくにハムストリングスや大殿筋の過緊張は骨盤の運動を制限し、仙腸関節の微細な可動性低下(関節モビリティ障害)を引き起こすことで痛みが増強されやすい。また、脊柱起立筋や広背筋を含む筋連結の緊張が後屈動作を妨げ、腰部の代償運動を生みやすいと考えられる。
徒手療法により、これらの筋・筋膜・関節包に対する持続的な刺激と血流改善が生体反応を促し、炎症性物質の局所代謝や浮腫の軽減をもたらしたと推察される。また、神経生理学的にはゲートコントロール理論の介入も痛みの抑制に寄与した可能性が高い。
【初診時治療前】
【初診時治療前】
【初診時治療後】
【初診時治療後】
まとめ
本症例は、急性腰痛(ぎっくり腰)に対して、下肢~骨盤~体幹の一連の運動連鎖に着目した徒手療法を実施することで、早期に症状改善が得られた。
筋・筋膜の機能評価に基づく介入が、局所の過緊張緩和や血流改善を通じて疼痛軽減に寄与したと考えられる。
また、患者の日常的な活動(立位作業、犬の散歩)に即した評価と治療が、再発予防とパフォーマンス向上につながった点も重要である。
施術内容および費用
施術内容:徒手療法(筋膜リリース・関節モビリゼーション・体幹安定化アプローチ)
費用:当院ホームページ内「料金表」参照
リスク
治療後には血流改善や神経反応によって、一時的な筋肉痛・倦怠感を感じる場合があるが、通常は24~48時間以内に消失する。













