お悩み改善例
妊娠9ヶ月の女性における右ハムストリングス肉離れの治療経過と考察 年齢:33歳 性別:女性 仕事内容(趣味) 妊娠9ヶ月で日常生活を送る。特定の趣味や運動習慣は記載なし
主症状
風呂場で脚を踏ん張った際に右ハムストリングスの肉離れを発症。
随伴症状
特になし。ただし、疼痛性跛行(痛みによる歩行の乱れ)が顕著。
検査
視診:右大腿部後面に広範囲の内出血が確認された。
触診:痛みとともに筋の硬直が触知された。
歩行評価:疼痛性跛行が著明。患肢荷重時に痛みが増強。
治療
1. 超音波治療
初期段階で炎症の抑制と疼痛緩和を目的とした低出力超音波治療を実施。
2. 患部周囲の治療(3回目以降)
患部に直接負荷をかけず、殿部筋、大腿前面の筋群、さらには骨盤周囲の循環改善を目的にアプローチ。
3. リハビリ指導
妊娠後期であることを考慮し、座位や仰臥位での軽度なストレッチを指導。
治療頻度および治療期間
初診から10日間で4回治療を実施。
経過および考察
治療開始後、10日間で以下のような改善がみられた:
1. 疼痛の軽減
超音波治療により、患部の炎症反応が抑制され、疼痛が早期に緩和したと考えられる。超音波は組織の深部に到達し、局所の血流を促進することで治癒プロセスを加速させた可能性が高い。
2. 循環改善
肉離れの患部自体への直接治療が制限される状況下、殿部や大腿前面の筋群への治療により、リンパ還流と静脈血流が改善された。これにより浮腫や内出血の吸収が促進された。妊娠後期では血流循環が悪化しやすいため、患部外への治療アプローチが功を奏したと考えられる。
3. 可動域の向上
肉離れによる筋拘縮が軽減され、跛行が徐々に改善。筋肉の滑走性を高めたことで日常生活動作が向上した。
生理学的には、超音波治療や周囲筋群のリハビリが細胞レベルでの修復過程を活性化し、コラーゲン産生や筋繊維再生を促進した。
【初診時】

【3回目 6日後】

【4回目 10日後】

まとめ
妊娠9ヶ月という特殊な生理的状況下での肉離れ症例に対し、適切な治療戦略を実施することにより短期間で症状の改善がみられた。本症例では、以下の点が治療成功の要因として考えられる:
1. 超音波治療による炎症の抑制と血流促進。
2. 患部周囲の筋群への間接的治療がもたらす循環改善。
妊娠中の肉離れでは、直接的な患部治療が制限されることが多いため、周囲筋群の治療や間接的な血流改善を重視するアプローチが有効であると考えられる。本報告は、妊娠後期の女性における筋骨格系損傷の治療指針の一助となる可能性がある。
施術内容および費用
施術内容:徒手療法・超音波治療
費用:当ホームページ料金表参照
リスク
治療刺激と血流改善のため、一時的に筋肉痛のような症状や倦怠感を感じることがある。